山行記録

日之影山行

新百姓山・桧山・兜巾岳・傾山

見立鉱山跡

―2013年3月29日(金)〜31日(日)―

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© 2013 Kengo Tachibana
Updated: April 02, 2013
Last modified: December 13, 2020


ball_magenta2.gif 山行概要
  • 山名(読み方、標高):新百姓山(しんひゃくしょうやま、1272.5m)、桧山(ひのきやま、1297m)、兜巾岳(とっきんだけ、1480m)、傾山(かたむきやま、1602m)
  • 県名/山地・山群・地域:宮崎県/大崩山地・祖母傾山地
  • 山行期日:2013年3月29日(金)〜31日(日)
  • 山行形態福岡油山会定例山行、民宿2泊3日
  • 参加者:5名
  • 全日程
    • 第1日目:2013年3月29日(金)
      • 移動:サニー北片江店から杉ヶ越登山口まで、4時間00分
        (集合)サニー北片江店06:00⇒堤ランプ⇒[福岡都市高速]⇒(太宰府IC)⇒[九州自動車道、基山PAで朝食・買物]⇒(鳥栖Jct)⇒[大分自動車道、別府湾SAで休憩]⇒大分米良IC⇒[国道10号] ⇒久原⇒[国道326号]⇒ととろ入口⇒[県道6号、落水多目的集会施設で登山準備]⇒10:00杉ヶ越登山口
      • 登山:杉ヶ越登山口から新百姓山・桧山往復、10:05〜15:20、全行程5時間15分
      • 移動:民宿「河鹿荘」まで、約20分
      • 宿泊:民宿「河鹿荘」 〒882-040 宮崎県西臼杵郡日之影町大字見立2052 TEL 0982-89-1112
    • 第2日目:2013年3月30日(土)
      • 移動:民宿「河鹿荘」から見立・兜巾岳登山口まで、5分
      • 登山:見立・兜巾岳登山口から見立鉱山跡・兜巾岳経由、大吹鉱山跡駐車地まで、08:00〜14:55、全行程6時間55分
      • 移動:大吹鉱山跡駐車地から民宿「河鹿荘」まで、約30分
      • 宿泊:民宿「河鹿荘」
    • 第3日目:2013年3月31日(日)
      • 移動:民宿「河鹿荘」から傾山登山口手前黒仁田林道駐車地まで、約40分
      • 登山:駐車地から傾山往復、08:25〜13:50、全行程5時間25分
      • 移動:黒仁田林道駐車地14:10⇒19:40頃サニー北片江店
        往路と同じコース、途中、木浦鉱山「木浦銘水館」、国道10号で夕食
  • 日之影・見立渓谷全図
    :画像をクリックすれば大きな画像になります。各ブラウザの「戻る」ボタンでこのページへ。)
  • 備考
    • 今回の油山会定例山行参加者は昨年5月の日之影山行とほぼ同じメンバーである。つまり、日之影山行第二弾。今回の目玉は、見立からの兜巾岳登山とその途中の見立鉱山跡である。
    • 第1日目新百姓山・桧山登山口が県道6号杉ヶ越であるため、アプローチは東ルートを取ることにした。
    • このルートは国道326号を通る。この道から見える山々の桜が満開で、美しかった。
    • 杉ヶ越登山口の駐車スペースが狭いことが分かっていたので、峠の手前「落水多目的集会施設」で登山準備などを済ませる。ここには広い駐車場・トイレ・水場があり、便利である。なお、脇に「子連れ水晶地蔵尊」が祀られているが、何やら木浦鉱山との関わりを感じる。
    • 3日間の登山はやはり手強かった。日之影・見立渓谷から登る山はいずれも手軽ではないということを、あらためて思い知った。
    • 福岡への帰路も往路と同じコース。途中、木浦鉱山の「木浦銘水館」に浸かり、汗を流した。お腹が空いたので、国道10号の何とかいう店でラーメンなどを食べた。
    • 昨年と同様、今回も民宿「河鹿荘」のお世話になった。特記すべきことがある。
      第2日目兜巾岳登山で、見立・兜巾岳登山口からのピストン往復を避けて下山地点を大吹登山口にするべきであると考えた。そのためには、前もって私の車を大吹鉱山跡広場に回しておかねばならない。山行前に、このことを「河鹿荘」のご主人に相談した。その結果、前日夕刻、河鹿荘と私の車2台で大吹鉱山跡広場に行き、そこに私の車を置き、私も河鹿荘の車で戻る、翌朝、登山者5名を2回に分け、河鹿荘の車で見立・兜巾岳登山口までピストン輸送してもらう、ということになった。
      このような時間のかかる面倒なことをしていただき、ご主人のご厚意に対し参加者一同心より感謝いたします。おかげで、この第2日目の兜巾岳登山・見立鉱山跡見学は、実に充実した楽しいものになりました。
    • 昨年の日之影山行もそうであったが、3日間の今回の山行は、平均年齢約70歳、5名のパーティとして少々ハードであったかも知れない。しかし、その内容の濃さにもかかわらず、時間的にはゆとりがあり、全体ゆっくり山登りを味わい、楽しめたという感じもする。

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ball_magenta2.gif 第1日目登山記録:新百姓山・桧山
  • 概要
    • 天候:晴
    • 行程:杉ヶ越登山口から新百姓山・桧山往復、全行程5時間15分、実歩行4時間30分
  • コース地図・時間



    【トラックデータ】カシミール3D GDBファイル:20130329_新百姓山_桧山.gdb
    【トラックグラフ】距離・標高

    :トラックデータ、トラックグラフとも登山口から桧山までの上りのみ。登山口までの下りはないが、上りと同じコースを下った。)

    杉ヶ越登山口10:05→[2:05]→12:10新百姓山(昼食)12:35→[30]→13:05桧山13:15→[30]→13:45新百姓山13:55→[1:25]→15:20杉ヶ越登山口
    :実歩行時間は小休憩時間込み)

  • 画像・備考
    :画像をクリックすれば大きな画像になります。各ブラウザの「戻る」ボタンでこのページへ。)

    ■ 杉ヶ越登山口から新百姓山まで

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    杉ヶ越登山口
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    山腹を登る
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    T字形に登山道出合
    左:傾山、右:新百姓山
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    杉ヶ越大明神
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    尾根の道
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    大ブナのピーク
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    傾山が見える
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    岩尾根の道
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    急坂
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    ミツバツツジ
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    また急坂
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    バイケイソウ
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    ヒメシャラの尾根
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    自然林の尾根
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    ヒメシャラの美林?
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    ちょっと休憩
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    あと5分、でも、なかなか
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    新百姓山、山頂到着



    杉ヶ越トンネルの見立渓谷側入口脇に登山口がある。ここから植林帶斜面を登り尾根筋に出ると、登山道がT字形に出合う。

    左(北)は傾山、右(南)は新百姓山への登山道である。今回は右へ。

    すぐ杉ヶ越大明神で、その先は尾根の道をひたすら歩く。

    あらかじめ地図を見て、新百姓山までいくつかのピークを越えていかねばならないことは分かっていた。

    ところが、主なピークだけでも4つあり、そのアップダウンが思っていたよりきつかった。

    また、各ピーク間も平坦な箇所が少なく、新百姓山まで時間がかかった。

    新百姓山に近づくとヒメシャラが多くなる。ガイドブックに「美林」とあったが、細い若木が多すぎて、驚いた。これらすべての木々が新芽を出すと、見事なのかも知れない。

    山頂は平凡で、特徴はない。昼食を摂り、早めに次のピーク桧山へ向かった。

    ■ 新百姓山から桧山まで

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    桧山へ
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    軽くダウンアップ
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    桧山を見る
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    かめさん、ありがとう
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    でも、きびしい急坂
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    それを乗り切り
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    山頂へ
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    着いた!
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    記念写真



    新百姓山からいったん下り、桧山へ登り返す。

    この間もヒメシャラが多い。特に尾根筋に幼木が生い茂っている。何故これほど尾根にヒメシャラの幼木が密生しているのか、分からない。

    桧山は鋭くとんがった山頂の岩峰で、最後は岩場と急傾斜の登りである。

    山頂到着、これで片道。記念写真を撮った。

    ■ 桧山から杉ヶ越登山口まで

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    桧山からの下り
    ヒメシャラのブッシュ!
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    慎重に降りる
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    新百姓山に戻る
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    下山の尾根道
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    ブナの巨木
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    うれしくなる
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    再会
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    ミツバツツジ
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    尾根を下る
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    杉ヶ越大明神
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    植林帶を下る
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    登山口到着
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    見立渓谷の桜
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    見立渓谷の桜
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    桜の脇の花?



    登山口から桧山までの上りは約2時間半かかったが、下りは上りより30分ほど早かった。



    登山を終え、県道6号を見立・上川の民宿「河鹿荘」へ向かった。

    途中、「あけぼの荘」向かいの広場の桜が満開だったので、車から降りてしばし鑑賞。

    白い花が緑に映え、美しかった。

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ball_magenta2.gif 第2日目登山記録:兜巾岳
  • 概要
    • 天候:晴
    • 行程:見立・兜巾岳登山口から見立鉱山跡、兜巾岳経由、大吹鉱山跡駐車地まで、全行程6時間55分、実歩行5時間50分
  • コース地図・時間



    【トラックデータ】カシミール3D GDBファイル:20130330_見立鉱山跡_兜巾岳.gdb
    【トラックグラフ】距離・標高


    見立・兜巾岳登山口8:00→[見立鉱山跡見学、2:50]→10:50第1トンネル・採鉱事務所跡・第2トンネル11:00→[1:25]→12:25昼食13:00→[45]→13:45兜巾岳14:05→[50]→14:55大吹鉱山跡駐車地
    :実歩行時間は小休憩時間込み)

  • 画像・備考
    :画像をクリックすれば大きな画像になります。各ブラウザの「戻る」ボタンでこのページへ。)

    ■ 見立・兜巾岳登山口から見立鉱山跡起点まで

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    「河鹿荘」前
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    県道6号を5分走る
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    見立・兜巾岳登山口
    見立鉱山跡への入口
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    古い道
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    谷川に沿って登る
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    道が崩壊、なくなっている
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    沢登り
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    橋が流失、渡渉する
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    苔むした道
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    石垣
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    山腹の迂回路
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    人工の平地が現れる
    この辺り鉱山跡起点



    「河鹿荘」から見立・兜巾岳登山口(ここは見立鉱山跡入口でもある)までは車で5分。

    前日、私の車をこの日の下山場所である大吹鉱山跡広場に置いてきたので、「河鹿荘」のご主人にこの日の登山口まで送ってもらった。

    登山口からしばらく、昔の道を気持ちよく歩く。自然林がそのまま残されており、谷川の縁を歩くのは快適である。

    ところが、それは長く続かない。

    5〜10分ほど進むと、道は大きく崩壊してなくなっており、谷川に降りて谷の大岩を乗り越えて行かねばならない。

    また、橋も完全に破壊されて、跡形もない。そのため、渡渉箇所もある。

    谷川の中をしばらく進むと、再び昔の道に出る。道の石は苔むしており、通る人は少ないようだ。

    石垣も現れるが、一体は植林されており、薄暗い。気分は晴れない。

    道が崩壊しているところもあり、今度は山腹杉林の急斜面を大きく迂回することになる。

    また昔の道に出ると、道の左右に狭い平地が段々畑のように続くようになる。

    どうもこの辺りが鉱山跡の始まりのようだ。そこで、ここを私の判断で「見立鉱山跡起点」とした。


    ■ 見立鉱山跡起点から第2トンネルまでは、より詳細な地図と共に下記「第2日目記録:見立鉱山跡」にまとめました。


    ■ 第2トンネルから兜巾岳まで

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    第2トンネルを抜ける
    兜巾岳を見る
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    ここにも鉱山の痕跡
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    道の痕跡もある
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    涸れ沢、登山道らしくなる
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    ヤマシャクヤク
    花芽が出ている
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    涸れ沢から山道へ
    急坂
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    岩場の始まり
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    ここをよじ登る
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    かなりきびしい
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    ロープを頼って登る
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    ここのミツバツツジは
    未だ蕾み
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    最初の岩場を登り切り
    昼食、エネルギー補給
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    登山再開
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    目の前に頭巾のような山塊
    兜巾岳
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    岩のやせ尾根
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    慎重に進む
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    頂上への岩場
    ここもきびしい
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    岩場をクリア
    傾斜が緩む
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    マンサクの出迎え
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    兜巾岳到着
    しんどかった
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    山頂にて
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    遠くに祖母山
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    右手、傾山
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    山頂で記念写真



    鉱山跡の最上部「第2トンネル」をくぐり抜けると空が一気に開け、陽がさんさんと降り注ぐ。

    広い涸れ沢の彼方に兜巾岳の、その名の通りの特徴ある姿が見える。

    トンネルの近くには採鉱機器類の残骸が散らばっており、ここは鉱山の最先端部であったらしい。

    涸れ沢を登って行くと、やがて石ころがなくなる。ヤマシャクヤクが葉を広げ、花芽を出している。

    傾斜がきつくなり、登り詰めると最初の岩場になる。

    この岩場はかなり長く、登り切るまで時間がかかったし、疲れた。

    山頂を左に巻いて小さな尾根に出たところで昼食を摂り、休憩することにした。

    予定では兜巾岳山頂で昼食であったが、ここまで予定より時間がかかったことと、空腹を感じたことなどのために、予定を変更した。



    昼食後、やせ尾根を急登、第2の岩場直下に至る。

    この岩場もなかなか手強い。山の北面で、濡れており、滑りやすい。

    慎重に、時間をかけてゆっくり登る。

    岩場の上は小さな広場のような空間で、ほっとする。ここにマンサクが咲いていた。

    急な斜面を少し登ると兜巾岳山頂に着いた。

    予定より大幅に時間オーバー、きつかった。

    それだけに、皆さん、大変うれしそうでした。

    ■ 兜巾岳から大吹鉱山跡駐車地まで

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    大吹登山口へ
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    登山道分岐、右へ
    直進は五葉岳へ
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    下りは楽です
    笑顔です
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    植林帶を下る
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    林道が見える
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    大吹登山口
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    もう一つの登山口通過
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    鉱山跡駐車地到着
    前日置いていた車
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    この日の登山を記念して
    達成感と満足感



    兜巾岳から大吹登山口までは昨年5月に通った道、しかも下りである。

    倒木の多さを不思議に思いながらも、楽に降りることができた。

    大吹登山口から林道を鉱山跡広場まで歩いた。この日の山歩きのクールダウンという感じ。

    広場に私の車が待っていた。

    それにしても、前日車をここに回しておいて、本当によかった。兜巾岳から見立・兜巾岳登山口まで下りずにすんだからである。

    あの上りのルートを、また下る、思っただけでぞーっとする。若い人たちならば何と言うこともないであろうが、年寄りにはこのピストン往復はまず無理であろう。

    日隠林道を車で下りながら、この日の登山ができたのは、時間を割いて車を回す手伝いをしてくださった「河鹿荘」のご主人と林道のおかげであると、心の中で感謝した。

    夕刻、一風呂浴びたあとのビールが、ことさら美味しく感じられた。

    大満足の一日だった。

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ball_magenta2.gif 第2日目記録:見立鉱山跡
  • 備考
    • 見立鉱山は見立渓谷・藤谷から兜巾岳の方へ切れ込んでいる谷間の渓流沿いに古くからあったらしい。その歴史は戦国時代末期までさかのぼる。
    • 詳細は文献などにあたって確かめなければならないが、この谷間に現存する無縁墓群の墓碑によると、それらは江戸時代のものであるから、その頃にはすでに大いに栄えたらしいことが分かる。
    • 近代に入ると設備・技術が進歩し、規模が拡大した。太平洋戦争終戦後も鉱山として発展し、最盛期にはたくさんの人々がこの谷間や見立渓谷で働き、生活した。「河鹿荘」ご主人の話によると小・中学校の生徒だけでも500人以上(今、正確には分かりません)いたとのこと。
    • この鉱山で採鉱されたのは主として錫であったらしい。その他銅、銀、金などの鉱石も産出したことが分かっている。
    • 鉱山町としての賑わいも昭和40年頃の閉山と共に消え失せ、ほとんど人々は去り、渓谷は無人となった。しかし、鉱山設備・機材類の多くが破棄され、撤去されることなく残った。また、人々の生活空間も廃墟となった。
    • この渓谷の谷間を縫うように道や橋が作られていたことが今でも確認できる。その道を、かつて人々が行き交い、馬が機材や物資を運んでいた。
    • 道や、家屋・作業などのための平地は石垣で築かれている。その痕跡は、見立渓谷のこの谷間への入口から、谷の奥深く、下に掲載した地図の第2トンネルを出た辺り、かなりの高度に至るまで見られる。
    • この鉱山跡を約3時間かけて歩いた。登山だけであればこれほど時間はかからないであろう。しかし、今回はこの鉱山跡の見学・見物も山行目的の一つである。じっくり見て回ったし、写真のために時間がかかった。
    • しかし、時間がかかった最大の理由は道・橋の崩壊である。昔人馬の通った道や橋も、この谷が廃墟になると共に、放棄された。その後数十年、度々の台風・洪水で橋はすべて流され、道は崩壊し、寸断されてしまった。というより、昔の道の痕跡が所々残っているというべきであろう。そのため、何回か谷川を渡渉しなければならなかった。また、谷川沿いに岩を乗り越えたり、あるいは谷の山腹を迂回した。昔の道が健在であれば、この谷間の歩きはさぞ気持ちのいいことであろうと思った。
    • 驚いたことがあった。この谷間の至る所に見られる平地は、石垣を積んで人の手によって作られたものである。人々はその狭い空間に家や長屋を建て、共同浴場や作業場を設けた。この貴重な平地に、さらに道に、べらぼうにも、植林!
    • ここでは、この谷の鉱山跡の現れる辺りを起点とし、鉱山最先端と思われる第2トンネルまでをまとめた。ただし、その先にも採鉱の痕跡はあった。
    • 何はともあれ、この鉱山跡の体験は感慨深いものになりました。


  • 地図
    :画像をクリックすれば大きな画像になります。各ブラウザの「戻る」ボタンでこのページへ。)



    【トラックデータ】カシミール3D GDBファイル:20130330_見立鉱山跡.gdb
    【トラックグラフ】距離・標高


  • 画像・備考 ―見立鉱山跡起点から第2トンネルまで―
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    この道辺り、起点
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    割れたガラス瓶
    酒か、焼酎か?
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    立派な道、右に長屋跡
    ここに植林とは!
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    何が建っていたのか?
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    長屋のかまど?
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    石碑
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    石垣と道
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    比較的健在な道
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    水道管?
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    共同浴場
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    「能率ボイラー」
    当時は最新式か
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    男風呂?
    4尺5寸四方
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    風呂の施設
    上に手動ポンプ
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    鉄管とガイシ
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    鍋、アルミ、アルマイト?
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    ふと見ると
    ミツバツツジ
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    大銀杏と無縁墓
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    見立無縁墓群
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    奉納大乗妙典一字一石供養塔
    元和三(1617)年三月二十六日建立
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    無縁墓の
     余命を知るや
      大銀杏
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    崩壊地を渡る
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    内風呂跡
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    鉱山上役屋敷跡?
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    谷川を登る
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    崩れたかつての道
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    鉱石運搬施設跡
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    550尺坑
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    苔むした石垣
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    昔の電柱の屍
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    さすがに、植林なし
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    神社への石段
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    鉄の重し、25kg?
    持ち帰るには重すぎる
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    トロッコの車輪
    持ち帰るには重すぎる
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    水道管か?
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    管が延びている
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    ずいぶん登ってきた
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    鉱山施設の痕跡あり
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    崩壊した道
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    そこを登る
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    第1トンネル
    進入禁止!
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    運搬用施設?
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    平坦地、基礎が残る
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    そこは採鉱事務(所)跡
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    こんなとこまで!
    しばし、呆然
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    この廃墟の側
    ミツバツツジ
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    塞がれた坑道
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    その右脇を登る
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    石垣の道
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    第2トンネル
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    入口で記念写真
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    トンネルを抜ける
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    日射しがまぶしい

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ball_magenta2.gif 第3日目登山記録:傾山
  • 概要
    • 天候:晴
    • 行程:登山口手前黒仁田林道駐車地から傾山往復、全行程5時間25分、実歩行4時間00分
  • コース地図・時間



    【トラックデータ】カシミール3D GDBファイル:20130331_傾山.gdb
    【トラックグラフ】距離・標高

    :トラックデータ、トラックグラフとも登山口から傾山までの上りのみ。登山口までの下りはないが、上りと同じコースを下った。)

    登山口手前黒仁田林道駐車地8:25→[10]→8:35登山口→[25]→9:00水場9:05→[10]→9:15九折越9:25→[1;00]→10:25標高1500m地点10:30→[20]→10:50後傾山10:55→[15]→11:10傾山(昼食)11:50→[25]→12:15標高1500m地点12:20→[45]→13:05九折越13:20→[25]→13:45登山口→[05]→13:50登山口手前黒仁田林道駐車地
    :実歩行時間は小休憩時間込み)

  • 画像・備考
    :画像をクリックすれば大きな画像になります。各ブラウザの「戻る」ボタンでこのページへ。)

    ■ 民宿「河鹿荘」、登山口手前黒仁田林道駐車地から傾山まで

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    「河鹿荘」前にて
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    「河鹿荘」前にて
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    「河鹿荘」前にて
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    登山口手前
    黒仁田林道駐車地
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    登山口
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    古い林道跡を歩く
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    ゴロタ石の道
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    水場
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    水場から10分、九折越
    いつ来ても、気持ちがいい
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    長めの休憩後、傾山へ
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    標高1300m地点通過
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    傾山が見える
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    標高1400m地点通過
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    傾山が近い
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    登山道は傾斜がきつくなる
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    標高1500m地点
    ここで一息
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    急登
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    登山道分岐
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    きびしい登り
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    登り切ると
    眼前に傾山
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    後傾山頂
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    登山道分岐
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    登山道分岐
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    傾山到着
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    山頂にて
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    鋭く落ちる谷の向こう
    後傾
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    記念写真



    山行第3日目、最終日。

    「河鹿荘」の前で記念写真。ご主人はかなりの年配だが、まだまだ頑張って欲しいものです。

    この日の登山はおなじみ傾山。道はよく分かっているので気が楽。

    しかし、山登り3日目、さすがに体は疲れているのか、登り始めは何だか体が重く、いつもよりきつかった。

    それでも、九折越までくると、その雰囲気に気分がよくなる。

    いつもより遅めに歩く。

    標高1500m地点から先の急登・岩場も時間をかける。

    昼食は九折越まで戻って摂る予定であったが、山頂まで少々時間がかかったので、少し早めだがそこで摂ることにした。

    山頂での昼食となったので、ここで40分過ごすことになり、ゆっくりできた。

    ■ 傾山から黒仁田林道駐車地まで

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    岩場の下り、慎重に
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    標高1500m地点で休憩
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    のんびりと下る
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    登山道から、祖母山
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    九折越に戻る
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    ゆっくり休む
    何故か、皆さんばらばら
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    記念写真
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    記念写真
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    今回山行、最後の下り
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    駐車地に戻りました
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    木浦鉱山、「木浦銘水館」
    ゆっくり浸かりました
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    説明板
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    説明板
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    蓮光寺湧水
    やわらかく、おいしい
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    「木浦銘水館」前にて



    下りは上りより実歩行時間は短い。いつものパターンである。

    九折越で長めの休憩を取った。何ともいい気持ちでした。

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