山行記録

祖母山

―2012年7月10日(火)―

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© 2012 Kengo Tachibana
Updated: July 10, 2012
Last modified: December 06, 2020

ball_magenta2.gif 山行概要
  • 山名(読み方、標高):祖母山(そぼさん、1756.4m)
  • 県名/山地・山群・地域など:宮崎県・大分県/祖母・傾山地
  • 期日:2012年7月10日(火)
  • 日程
    • 移動(車):3時間
    • 自宅(福岡市城南区)4:15→野芥ランプ→[福岡都市高速]→太宰府IC→[九州自動車道、「北熊本SA」で朝食]→益城熊本空港IC→[県道36号]→小谷→[県道206号]→小森→[県道28号]→久木野→[県道39号]→[国道325号]→高千穂→[県道8号]→五ヶ所→[村道・林道]→7:15北谷登山口
    • 登山:7時45分〜14時40分
    • 移動(車):3時間15分
    • 北谷登山口15:00→[林道・村道]→五ヶ所→[県道8号]→高千穂→[国道325号]→阿蘇大橋→[国道57号]→熊本IC→[九州自動車道]→太宰府IC→[福岡都市高速]→18:15野芥ランプ→自宅(福岡市城南区)
  • 日誌
    • 梅雨の時期としては貴重な、「晴」が確実となった7月10日(火)、祖母山山行、九州百名山(新版)97番目である。祖母山は格別思い出が深い。半世紀以上前、友人二人と共に3泊4日の祖母・傾縦走をしたことがある。猛烈にきつかった。今でもその記憶は鮮明である。この思い出のため、九州百名山100番目の山行は祖母山にする予定であった。しかし、96番目の五島・福江島の七ツ岳に登って、残りは祖母山、大障子岩、屋久島の宮之浦岳、黒味岳となり、当初の予定にこだわらず、祖母山に登ることにした。
    • コースは宮崎県側、北谷登山口から千間平コースを登り、風穴コースを下る、という比較的楽であるらしい周回である。確かに登りは楽だったが、下りの「風穴コース」は予想以上の難路であった。特にこの時期、岩場や渡渉箇所で緊張した。
    • 5月〜6月の花の季節や紅葉の見事な秋には大勢の登山者で賑わう祖母山も、梅雨末期の今は静かなもので、出会ったのは男性3人だけ、いずれも単独。山頂では、国観峠で出会った方と再会したが、彼が去った後は私独り、天気もよく、涼しく、昼食を頂きながらゆっくり展望を楽しんだ。
    • 気温は下山後の北谷登山口で23℃であったから、山頂では20℃以下、おそらく18℃くらいであったはず。全体、天候には恵まれた。梅雨前線が九州本土の遙か南まで下がり、九州北部は大陸高気圧に覆われ、祖母山はまるで秋のように快適。日射しは柔らかく、湿度も低いようで、汗もあまりかかなかった。
    • 思わぬご褒美、嬉しかったこと、オオヤマレンゲ。九合目から直接山頂へのルートを取らず、九合目小屋に寄った。そこから山頂にかけて沢山オオヤマレンゲが群生している。その「天女の花」を目にすることはあきらめていたのだが、数本、一つ二つ、花を残してくれていた。最盛期の、盛りだくさんの満開の花ももちろん美しいが、このような残り香のごとき一つの花もそこはかとなき風情があり、緑の中に鮮烈である。
    • 思いで深い祖母山、独り静かに山登りを楽しく味わいました。

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ball_magenta2.gif 「祖母山」登山記録

  • 概要
    • 期日:2012年7月10日(火)
    • 天候:晴
    • 行程:北谷登山口から千間平コース・風穴コース時計回り周回、全行程6時間55分、実歩行5時間05分
  • コース地図・時間


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    (1) 北谷登山口7:45→[40]→8:25水場8:30→[35]→9:05千間平9:20→[20]→9:40三県境→[20]→10:00国見峠10:20→[30]→10:50九合目分岐→[15]→11:05九合目小屋11:10→[15]→11:25祖母山(昼食)

    (2) 祖母山12:10→[35]→11:45巨石(休憩)11:55→[35]→13:30風穴13:40→[55]→14:35最後の渡渉・林道出合→[05]→14:40北谷登山口
    【トラックデータ】カシミール3D GDBファイル:20120710_祖母山.gdb
    【トラックグラフ】距離・標高


  • 画像・備考
  • (1) 北谷登山口から祖母山頂まで(千間平コース)
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    北谷登山口駐車場
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    北谷登山口
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    植林帶の中、道は平坦
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    一合目の標識
    標識は九合目まで合目ごとに設置
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    二・五合目、水場
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    三合目の先を右急カーブ
    尾根歩きとなる
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    スズタケの急坂
    滑り跡は人間ではなく
    獣が滑り降りた跡(?)
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    四合目から坂が緩む
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    登山道分岐、直進
    左は「筒が岳」へ
     


    県道8号線の五ヶ所から右折してしばらく舗装された道を走る。途中から未舗装の道になるが、普通車でも走行可能。その行き止まりが北谷登山口である。駐車場は広く、10台くらい駐車できる。ここには立派なトイレ、水場、東屋がある。お世話になる登山者として、マナーを守って、これらの設備をきれいに使うようにしなければならない。

    ここから千間平・風穴両コースへ向かうことになるが、今回は時計回り周回なので、千間平登山口から出発する。


    北谷登山口から三合目の先まではほとんど植林帶の中、山腹をほぼ等高線に沿って緩やかに登っていく。二合目と三合目の中間(二.五合目、富士山登山道風にいえば、二合五勺)に水場がある。









    三合目の先で右に急カーブ、尾根に出ると平坦な道は終わり、やや急な坂を登る。四合目からは再び道は平らになり、千間平に出る。その「千間平」標識の手前に分岐があるが、左の登山道は「筒が岳」への道で、ここは直進する。  
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    千間平の広場
    ここで休憩
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    アサギマダラ
    2匹のテンも出た
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    千間平にて
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    静かな広々とした尾根道
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    少し坂を登る
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    登山道から
    祖母山が見える
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    障子岳は雲の中
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    三県境(宮崎・大分・熊本)
    左の道は「越敷岳」へ
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    平坦な尾根道が続く
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    国観峠に出る
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    ここで神原からの登山道合流
     


    「千間平」標識のあるところは、開けた気持ちのいい場所で落ち着く。ここで長めの休憩をした。アサギマダラがゆったりと空間をただよっていた。座って静かにあめ玉を味わっていると、すぐそばを小さな茶色の動物が2匹駆け抜けていった。親子かカップルのテンではないかと思う。写真を撮る暇はなかった。





    この地点が「千間平」の始点であるが、ここから三県境(宮崎県・大分県・熊本県)まで直線で700m、境から国観峠まで1000m、終点を峠とすれば、「千間平」はカーブの距離をプラスして1800mとなる。千間=1.8m×1000間=1800m、ぴったり!!







    この間まさに「平ら」である。幅広い尾根を歩く。大変気分がいい。三県境には「越敷岳」からの登山道が合流している。三県境から緩やかな坂のスズタケの道を登ると「国観峠」に出る。この峠は広々とした平地で、神原からの登山道が合流する。ここで、神原から登ってきた男性と出会った。しばし会話。彼とは山頂で再会することになる。  
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    真正面に祖母山
    お地蔵さんの左が登山道
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    急坂を登り九合目到着
    左の小屋への道へ
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    平坦な小屋への道
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    九合目小屋
    「あけぼの荘」
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    小屋脇から山頂へ
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    一輪のオオヤマレンゲ
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    登山道合流
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    ガレ場を少し登る
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    祖母山山頂
     



    「国観峠」のお地蔵さんの左脇から山頂への登山道に入る。ここから九合目までやや急なスズタケの道。九合目標識で道が三つ叉に分かれているが、真ん中の道は廃道、右が祖母山山頂へ、左が九合目小屋への登山道。九合目小屋へ向かう。この道は山頂をトラバースする形でほぼ平坦。









    九合目小屋は平日で閉鎖されていた。小屋から道標にしたがって山頂へ向かう。途中でオオヤマレンゲの花を見る。やがて、九合目から山頂への道と合流し、山頂へ。

     
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    山頂にて
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    山頂からの眺望
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    山頂からの眺望
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    山頂からの眺望
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    ヒョウモンチョウ
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    縦走路下山口
    先から急激な下り
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    風穴コース入口
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    ここにもアサギマダラ
     



    山頂で神原からの登山者と再会、写真を撮りあった。彼が去ると私独り。




    まず、山頂からの下山道入口を入念に確認して、昼食。眺望を楽しんだり、蝶の写真を撮ったり、ぼーっと物思いにふけったり、山頂で45分過ごし、風穴コースの下山開始。  


    (2) 祖母山頂から北谷登山口まで(風穴コース)
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    下山開始
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    途中の展望岩から
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    ロープ場
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    ハシゴ
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    急坂を下りきって
    一休み
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    休憩は巨石のそば
     



    祖母山頂から下山道入口は三つある。一つは登ってきた道、二つ目は傾山への縦走路で、天狗岩・障子岳へ下り、途中から黒金コースに降りることもできる。三つ目が風穴コース。





    縦走路の下りは目もくらむような急坂であるが、風穴コースへの下りも相当急である。しかも岩場、ロープ場、ハシゴのかけられた岩場もある。この急坂が大岩(ここで休憩した)まで続く。  
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    またまたアサギマダラ
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    スズタケの下り道
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    登山道脇にて
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    再び急坂を少し下りる
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    風穴入口上
    下の入口には降りない
     



    大岩から風穴までも坂は急。







    ハシゴを下りて風穴入り口の上で休憩したが、あえて風穴の中へ入ることは避け、穴から吹き上げてくる冷気の心地よさを楽しんだだけ。
     
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    ガレ場を下る
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    谷川にでる
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    この谷川を下る
    テープと道標がある
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    危険箇所
    岩が滑る
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    小滝の右を降りた
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    ここを下る
    道が不鮮明、要注意
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    道標を見て安心
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    この岩も危険
     



    風穴から先、傾斜は緩むものの、登山道としてきびしかった。









    ガレ場を過ぎると谷筋になり、谷川を下る。水量が増していて歩くのに苦労するし、道が不鮮明な箇所もある。ロープを使って降りる大きな岩は滑りやすく緊張した。
     
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    植林帶になる
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    渡渉
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    平坦な道
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    渡渉
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    最後の渡渉
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    ここを渡る
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    林道に出る
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    そこは風穴コース入口
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    林道を5分ほど歩く
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    北谷登山口に戻った
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    洗い場
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    トイレ隣接の東屋
     


    谷川から離れ、山腹の植林帶の中になると道は平坦になり、やれやれこの先登山口までは楽に歩ける、と思いきや、さにあらず。道は平坦で歩きやすいのであるが、小さな谷の横断箇所で、谷川を渡渉しなければならない。







    これらの谷川も水量があり、対岸の登山道の確認と渡渉方法の検討が必要であった。
    最後の渡渉が一番緊張した。その先すぐ林道出合、林道を5分ほど下れば登山口に到着する。











    風穴コースは秋、谷川の水量が少ない時期であれば、今回ほど難しいことはないであろうが、それでもやはり「難コース」であることには変わりない。グループでこのコースを下るのは、メンバー全員が登山訓練している場合でない限り、中止した方がいいのではないかと思った。特に、高齢者・女性の多いグループはこのコースは無理で、千間平コースを引き返した方が安全かつ楽しいはずです。  

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