山行記録立山・薬師岳縦走立山連峰(別山・真砂岳・大汝山・雄山)
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室堂15:50→[35]→16:25ミクリガ池展望所16:30→[10]→16:40雷鳥沢ヒュッテ |
雷鳥沢ヒュッテ6:20→[05]→6:25キャンプ場広場6:35→[4回休憩込み、2:35]→9:10剣御前小屋9:20→[40]→10:00別山神社→[別山往復、20]→10:20別山神社10:25→[35]→11:00休憩(昼食)11:30→[25]→11:55真砂岳12:00→[50]→12:50富士ノ折立→[15]→13:05大汝山(休憩所)13:35→[15]→13:50雄山14:20→[35]→14:55一ノ越山荘 |
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第2日目、晴天。すがすがしい目覚めであった。 山小屋とはいえ、何でもある。少々値段が張るが、運搬のことを考えれば、これは当然のことである。登山者は金を惜しみさえしなければ、食料品や水などをリュックに詰め、梺から運び上げる必要がない。 ヒュッテ前にはスペースがないので、雪渓を横切りキャンプ場まで行って、そこの広場でストレッチをした。広々した広場で、たくさん色とりどりのテントが張られており、大変気持ちがいい。 ストレッチで体をほぐし、登山開始。前日仰ぎ見た目の前の急斜面を、直登といった感じで登る。 雷鳥沢の雪渓を、初めての体験なので慎重に通り過ぎ、沢の木橋を渡る。大日岳方面へ向かう道を分け、山腹の急坂に入る。雪渓の右、左と直線的に登った後、小さな支尾根に出て細かいジグザグの道になる。 登りはじめ、しかも相当な高度なので、呼吸を整えながら、極めてゆっくり足を進める。 時々小休憩を取り、雷鳥沢や立山、大日岳などの景色を眺めながら、時間をかけて稜線鞍部の剣御前小屋に着く。 小屋からは剣岳が間近に見え、感動した。 ここから、左手に剣を眺めながら、アップダウンも緩やかに、尾根筋を雄山方面へ向かう。 別山の右をトラバースする道もあるが、その道から左に分岐して、別山(神社)に着いた。ここに「別山」の標識があるものの、地図では張り出した尾根先端の高所が「別山」と示してある。そこで、ここにリュックをデポし、尾根先端へ往復した。 尾根先端は、そこで休んでいる人たちによると「別山北峰」とのこと、少々混乱する。 しかし、名称は別にして、ここからの展望は素晴らしい。真正面に剣岳とそれに連なる岩稜、その手前の深い谷を見渡すことができる。容易ではないと知りつつも、剣に登りたい、と思ってしまう景色である。。 別山(神社)で休憩後、急坂を下りて、縦走路と合流、しばらくはなだらかな道を行く。 やがて、立山の急峻な登山道となる。 まず岩の積み重なった急坂をあえぎあえぎ富士ノ折立に登る。次が、立山連峰最高峰の大汝山である。この山頂直下に休憩所があり、トイレ(有料)も設置されている。私は利用しなかったが、たまたま休んでいた男性登山者によると、ここのトイレは「日本一景色のいいトイレである」とのこと。どんなものか見学だけでもすればよかった。 休憩所脇の登山道にリュックを置いて大汝山に登る。巨大な岩をよじ登ると山頂、360度の大展望、素晴らしい、雄大である。 登山道に戻って、次はいよいよ雄山である。 立山頂上雄山神社の鳥居の脇を通って、先ずは社務所へ。建物の前、軒先下の休憩用ベンチにリュックを置いて頂上に登った。そこには立派な社殿があり、途中でお札(小さな鈴が付いている)を購入して登ることになる。山頂の社殿で神主さんから登山安全のお祈りをしてもらい(私は天候の順なることを密かにお願い申し上げた)、お祓いを受けた。さらに、雄山神社の説明もしてもらった。 雄山から一ノ越への下りはきびしかった。急坂の上、ザレ・ガレの連続である。滑りやすく、気をつけねばならない。それまでかなり歩いて足腰を駆使していたので、ことのほかきつく感じた。 山荘に着いたのは午後3時頃、この一日立山連峰をよく歩いた、としみじみ思った。しかし、これで今回の山行ルートのほぼ五分の一くらいである。気を引き締めた。 |
一ノ越山荘7:00→[40]→7:40富山大学立山研究室7:45→[1:05]→8:50雪渓終了地点(休憩)8:55→[55]→9:50獅子岳9:55→[1:05]→11:00ザラ峠(昼食)11:30→[25]→11:55五色ヶ原入口12:05→[25]→12:30五色ヶ原山荘 |
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この日も晴天、ありがたい。 雷鳥沢の反対側、南方面の遙か遠くに槍ヶ岳・穗高の特徴ある山影や、その左手に燕岳・蝶ヶ岳の常念山脈らしきものまで見えた。大気が澄んでいる証である。 少々驚いたことに、朝食に玉子が出たが、下界の普通の宿のように個人別に焼鍋が宛がわれ、固形燃料でウィンナーソーセージと共に焼くことになっていた。山小屋の朝食として、これはまったく予想していなかった。 山荘前で記念写真を撮り、出発。 まず、龍王岳に立つことなく、その右手の平たい尾根に登る。 ここには富山大学の研究室があり、これから歩く山並みが一望でき、休憩するにはもってこいである。 記念写真を撮った後、龍王岳の右裾を巻いて下る。やや歩きにくい。 降りきったところで、今度は鬼岳の左をトラバースする。ここには雪渓があり、その上を横切っていく。 準備していたが、アイゼンは不要であった。山岳での雪渓歩行は初めての体験で、非常に新鮮であった。天候次第では極めて危険なルートのはずだが、この日は晴天・無風、面白く歩くことができた。 雪渓を歩き終わって、獅子岳へ登るが、これはさほどきつくない。お花畑などを楽しみながらの縦走である。 獅子岳山頂は眺めもよく、一休みしたが、大変気持ちがよかった。 |
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獅子岳山頂から五色ヶ原が見え、小さいが山荘の建物まで確認できる。澄んだ大気のせいで近く感じてしまう。誰かが言う、「30分くらいで行けそう。」もちろん冗談だが、それほど見晴らしがよかった。 ところが、獅子岳からザラ峠までの下りは大変きびしかった。 ザラ峠がすぐ下に見えるのだが、なかなか着かない。しかし、焦ることなく、ゆっくり降りていく。 ザラ峠で昼食。峠の特徴で、東の谷から涼しい風が程よく吹き上げてきて気持ちがよかった。 ザラ峠から少し登れば、そこはもう五色ヶ原の入口である。平坦な木道の道を、道脇の花々を愛でながら楽しく歩いた。今回の縦走で一番楽で、気持ちのいい区間であった。 山荘到着は12時半。山荘前でゆっくりし、ビールを飲んだ。気が晴れる。 この山荘には風呂がある。25分間隔・男女交代制、シャンプー・石けん使用禁止であるが、熱いお湯に浸かったり、頭からかぶったりするだけでも生き返ったような気がする。またビールが飲みたくなる。 時間がたっぷりあったので、五色ヶ原を散策した。夕日に染まる山並みが幻想的ですらある。 夜、外に出てみると、天に満月、翌日も天気が良さそうである。 |
五色ヶ原山荘6:30→[40]→7:10鳶山7:20→[50]→8:10鞍部(休憩)8:15→[1:10]→9:25越中沢岳9:40→[1:40]→11:20スゴノ頭(昼食)12:00→[45]→12:45スゴ乗越12:55→[1:05]→14:00スゴ乗越小屋 |
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早朝、五色ヶ原の山荘近辺を散策しながら、写真を撮った。抜けるような晴天である。気分爽快であった。 雪渓の脇を鳶山へ向かう。なだらかな登りの道である。 鳶山を越え、越中沢乗越へ降りる。道はきつくない。 越中沢乗越から緩やかだが長い長い登りが続く。 高山植物が豊かな広々とした台地状の尾根を歩く。 稜線の右手に登り、一休みの後、左ほぼ直角に曲がって、越中沢岳へ。 きつい登りではなかったが、距離が長く、山頂に着いた時、思わずバンザイしたくなる。 |
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越中沢岳から峠のスゴ乗越へ降りるのであるが、これがなかなかである。大きなアップダウンがある。 まず越中沢岳から鞍部(名前はない)に大きく下る。最初、山頂の左を巻いて尾根に出るが、ザレ場とガレ場と岩、左は鋭く谷に落ち込む絶壁で神経がすり減る。 尾根筋に出ても同じような道の状態で、おまけに急坂の連続である。 鞍部まで降りて、ほっとする。 鞍部から今度はスゴノ頭へ登り返す。この登りはきついが距離が短く問題ない。スゴノ頭で昼食を摂り、長めの休憩をした。 頭からスゴ乗越への長いきびしい下りも苦労した。峠まで降りきったところで、長めの休憩をした。難関を乗り越え、安堵した。メンバーお互いに労苦をねぎらい合った。 峠から先は樹林帯の中、比較的緩やかにアップダウンを何度か繰り返しながら山小屋に着いた。ただ、この間、思っていたより時間がかかったのは、それまでのきつい下りで肉体的・精神的エネルギーを使い切っていたからであろう。 山小屋「スゴ乗越小屋」に着いた時は本当にほっとした。そのため、みんなで小屋前のベンチに陣取りビールで乾杯した。 ただ、どの写真も、皆さんの顔にある種の疲れが現れているような気がする。 この日の縦走は本当にきつかった。 それだけに、この小屋の夕食のおいしさに癒やされた。特に、みそ汁がすばらしい。何種類かのキノコの香りと味が絶品であった。大勢のお客で寝床は狭く(一畳に二人)、おまけに玄関そばであったが、疲れとおいしい夕食(+ビール)で、皆さんよく眠られたようです。 |
スゴ乗越小屋6:10→[1:20]→7:30間山7:35→[小休憩込み、2:05]→9:40北薬師岳9:50→[25]→10:15休憩10:25→[45]→11:10薬師岳(昼食)11:50→[50]→12:40「薬師岳山荘」12:50→[30]→13:20お花畑(休憩)13:25→[55]→14:20薬師峠(太郎兵平キャンプ場)14:30→[20]→14:50太郎平小屋 |
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この日もまた天候に恵まれ、気持ちよく山小屋を出発した。ただし、歩く距離が一番長いため、早めに発った。 間山へ向かう。岩がごろごろしているが、森の中の比較的歩きやすい道である。 間山山頂に飛び出すと目の前に北薬師岳・薬師岳の巨大な山体が迫る。 しばらくはなだらかな道で、我々にもやや余裕がある。 雪渓を登る辺りから道がきびしくなる。大小の岩の積み重なった急坂を、白いペンキの○印を頼りに登っていく。 下から見上げ、北薬師岳と思いきや、単なる岩のピーク、という落胆の思いを二度ほど繰り返し、やっと北薬師岳山頂に着く。そこまで長い距離を登ってきた。 北薬師岳から薬師岳は岩だらけのやせ尾根の道である。標高3000m近いので空気が薄く、アップダウンのない道とはいえ、急いで酸素欠乏になって目を回したりすると大変だから、ゆっくり進まなければならない。 薬師岳山頂では、疲れていたが皆さんさすがに嬉しそうで、記念写真では笑みがこぼれております。 |
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薬師岳から太郎平小屋までは緩やかな長い下りである。きびしいところはなさそうである。 それでも山頂からしばらくはやせ尾根の岩の道。 広い尾根のザラ場を下る。悪天候下では道に迷いそうな所である。 尾根の平らな箇所に薬師岳山荘がある。新しく建て替えられたそうで、利用した人の話ではトイレも大変きれいだったとのこと。 山荘のベンチで休憩して、さらに薬師平の長い緩やかな道を下る。 薬師平の終わる辺りからお花畑である。五色ヶ原よりも植物が豊かに茂っているように感じた。 今度は涸れ谷のやや急坂になる。途中、谷に水が湧き出す。皆さん喜んでおいしい水を飲み、顔の汗を洗い流す。 やがて薬師峠。テント場があり、多くのテントが張ってあって、若者たちがカードゲームを楽しんだりしていた。 そこを過ぎると木道などのある穏やかな遊歩道が太郎平小屋まで続いているだけ。ニッコウキスゲはじめ色々な花も咲いていたが、小雨が降り出したので急ぐ。 太郎平小屋に着く頃、幸いなことに雨は上がった。この小屋は登山道の交わる地点に位置し、大勢の客たちで賑わっていた。小屋前の広大な広場には多くのベンチとテーブルが置かれ、ビールを飲んだり、おしゃべりしたり、中には食事を作っている人たちもいた。 私も玄関先のベンチに座って生ビールを2杯も飲んだ。隣の3人連れのグループと何となく挨拶を交わしたのがきっかけで、ウィスキーをごちそうになったり、北アルプス事情を詳しく聞いたり、九州の山登りの話をしたりした。楽しいひとときであった。 今回最後の山小屋、きれいな夕日を見ることができた。 |
太郎平小屋6:15→[45]→7:00五光岩ベンチ→[35]→7:35休憩(雨合羽脱)7:45→[45]→8:30三角点→[小休憩込み、1:20]→9:50折立 |
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最終日の夜半すぎ、雷鳴と激しい雨。夜が明けると雷は静まり、雨も弱くなった。 今回の縦走で、この日初めて雨具を身につけて出発した。 登りはほとんどない。緩やかに、長く登山道を下る。 出発して1時間ほど経った頃、雨が上がり、雨具を脱いだ。 高原から樹林帯に入る。急坂になり、道は雨のためぬかるんでいる箇所もあって歩きにくい。 森の中の道を下ると、遭難者慰霊塔がある。折立のバス駐車場はすぐである。 |