山行記録

西山

旧三瀬街道

―2021年2月9日(火)―

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© 2021 Kengo Tachibana
Updated: February 09, 2021
Last modified: February 13, 2021


ball_magenta2.gif 山行概要
  • 山名(読み方、標高):西山(にしやま、430m)、旧三瀬街道(きゅうみつせかいどう)
  • 県名/山地・山群・地域など
    西山:福岡県/福岡市早良区
    旧三瀬街道(西山登山口):福岡県/福岡市西区・早良区
  • 山行期日:2021年2月9日(火)
  • 山行形態:単独、日帰り
  • 日程
    • 移動:車で自宅から福岡市西区金武旧三瀬街道駐車地まで
    • 西山登山:10時25分〜15時25分
    • 移動:車で駐車地から自宅まで
  • 日誌
    • 福岡市西区の金武から飯場峠を越え飯場、三瀬峠に通じる旧三瀬街道と、その途中に登山口のある西山に興味を抱き、旧街道経由で登ってみることにした。
    • 金武の旧三瀬街道駐車地から旧街道を上り、西山登山口から山に入り、尾根登山道出合で左折、西山まで往復(ここまでが登山前半)、その後、この尾根道を通って西の飯場峠へ下り、そこから旧街道を歩いて駐車地に戻る(登山後半)予定であった(下の地図参照)。
    • しかし、前半で時間がかかってしまい、また、色々神経を使うコース歩きだったので、精神的にも肉体的にも少々疲れ気味、予定の後半を変更し、登ってきたルートを戻ることにした。尾根登山道出合から飯場峠までの尾根ルートの下りが相当難しそうだったからである。今回はこれで十分満足。ただ、旧街道歩きは、そのほんの一部でしかない、という結果になった。
    • 天気は上々だったが、朝方は気温が低く、登る途中で軍手を利用した。しかし、午後になると気温が上がり、尾根登山道出合から下る途中で、汗をかき始めた。コートと薄手ダウンジャケットを脱ぎ、長袖下着とインナーだけすると、歩きが快適になった。これからは山歩きの際、衣服調整が大事になる。
    • 旧三瀬街道歩きを楽しむ人は多いようだが、西山に登る登山者は少ないのではないかと思われる。道と踏分の不鮮明な区間があるからである。この日、スタート時、街道を下りてくる1人の男性と出会っただけで、山中は誰とも出会わなかった。
    • 西山への尾根登山道の途中、岩尾根がしばらく続く。福岡市の山で、このような岩稜を歩いたのは初めてである。尾根上に大小の岩が積み重なって連なっている。この岩はどうも石灰岩のようだと思い、下りの途中の、小さめの石が散らばっている箇所で、拳大の一つを持ち帰って、サイトを見ながら検討した(画像)。その結果、これはやはり石灰岩ということが分かった。ちなみに、ここから南西、野河内渓谷の上流に水無鍾乳洞がある。大昔、この一帯は海底だったわけで、その後それが地殻変動で隆起したのだろうが、この尾根にその名残の岩石が積み重なり、連なっているというのがいかにも不思議である。
    【旧三瀬街道について】
    以下、内山 敏典:「旧三瀬街道とその周辺逍遙マップ記 ―伊能忠敬一行の測量から200 年を経過して―」(PDFファイル、九州産業大学産学連携室 2015年)を引用(原文のママ)、または参照。
    • 旧三瀬街道は、「……『古(いにしえ)』からの重要街道であったということですが、近年は県道(飯場・金武線の562 号線)として存在しているにも関わらず、忘れられた存在の街道……」(3ページ)である。
    • また、「旧三瀬街道は現在の佐賀市内の旧長崎街道(……)と接続されており、江戸時代の長崎勤番へと出向く筑前(黒田)藩士の往来もこの街道を通ったと推察される。」(6ページ)
    • さらに、各種文献・資料から「……言えることは戦国時代(1500 年代)からこの道が開かれたとのことで、江戸時代になってから交通量が増えて重要な道となっていったと思われる。それは、江戸時代になり、この街道が筑前から肥前への最短ルートでまた長崎街道へも通じているということで、他国の旅行者や飛脚などの通行が絶えなかったとのことである。」(6ページ)
    • そして、「旧三瀬街道が決定的に現在のように廃道に近い状態になったのは、1923(大正12)年に完成した曲渕ダム(福岡の産業遺産)によって現在の[国道:筆者追加]263 号線が整備され人の通行が安全になったことと、モータリゼーションの進行で運搬が楽になったことでこの街道の利用価値がなくなったこと思われる。」(6ページ)
    • 旧三瀬街道のルート概略(現在の地名)
    • 高取→藤崎→原→有田→次郎丸→田村→四箇→金武(昔、宿駅あり)→飯場峠→飯場(昔、宿駅あり)→三瀬峠(この先佐賀県、「旧長崎街道」に通じていた)(9ページ)
    【岩尾根ピーク、龍山、立神山について】[2021.02.13]
    • 上の「日誌」で触れた「岩尾根」の最高地点(標高457m)は、地理院地図で標高は明示されているが山名が記されていない。そのため、下の「コース地図」にはピークマークを付さず、「登山状況」では「無名ピーク」としていた。
    • しかし、どうも気になる。この山域最高地点に名のないのはおかしい。
    • そこで、安易ながら、グーグルで調べてみた。いくつかのウェブサイトの情報を見て(詳細は省かせていただく)、正確ではないかも知れないが、今回歩いた尾根一帯は「龍山」(いかにもその稜線は龍の横たわる姿のようである)、岩稜最高地点は「立神山」といわれていたようである、ということが分かり、何となく気が安らいだ。

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ball_magenta2.gif 西山登山記録
  • 概要
    • 天候:晴、駐車地の気温はスタート時6℃、ゴール時11℃
    • 行程:福岡市西区金武旧三瀬街道駐車地から、旧三瀬街道経由往復、全行程5時間、実歩行7.4km/3時間55分、休憩等1時間5分
  • コース地図・時間


  • 旧三瀬街道駐車地 10:25→[旧三瀬街道歩き、25分]→10:50西山登山口(休憩5分)10:55→[35分、途中休憩10分]→11:40尾根登山道出合→[20分]→12:00最初のピーク(休憩10分)12:10→[55分、内コース間違いロス:0.1km/6分]→13:05西山(昼食・休憩30分)13:35→[実歩行1時間、途中休憩10分]→14:45尾根登山道出合→[25分]→15:10西山登山口→[15分]→15:25 旧三瀬街道駐車地

    【トラックデータ】カシミール3D GDBファイル:20210209_西山.gdb
    【トラックグラフ】距離・標高

    :西山までの上りと下りの距離がおかしい。特に、西山登山口と尾根登山道出合間は明らかに違う。その原因は分からないので、手を加えず記載する。)

  • 登山状況
    • 旧三瀬街道駐車地から旧街道を飯場峠方面へ上る。この道は県道562号なのだが、今は駐車地のすぐ上に車止めがあり、その先は廃道になっている。
    • しばらく舗装道路を上ると、それが途切れ(道路舗装・未舗装区分地点、画像No.005)、舗装林道と未舗装の旧街道の分岐に至る。右の旧街道へ。
    • 旧街道を上り、二つ目の小橋を渡った所で、左手の「西山登山口」道標の指示に従い、谷沿いの登山道を上る。傾斜がやや強く、年寄りにはきつい上りである。
    • 途中で10分休憩を取り、尾根登山道出合に出る。このT字形出合を左折後、登山道は東へ向かい、西山までおおむね尾根筋を通る。
    • 尾根登山道出合から下の地図「最初のピーク」まで標高差100m足らずだが急登、がんばりどころ。その先西山までは軽いアップダウンの道である。前もって地形図を調べ、この間は快適な尾根歩きができると思っていた。
    • ところが、その途中、思いもかけない難路があった。上の「日誌」で触れた「岩尾根」である。この岩稜は約300mほど続くが、このような尾根道のあることは想定外で、快適な尾根歩きができると思い込んでいただけに、本当にびっくりした。
    • しかし、これを越えなければならない。岩だらけの尾根の道を慎重に探りながら進んだ。年寄りにとっては、精神的に、肉体的にもきつい。ちょっとしたミスで転んだりしたら大ごとになる。時間をかけ、慎重に、ゆっくり足を運んだ。この岩尾根歩きの間、ストックは邪魔になり、登山用手袋または軍手が役に立つ。なお、この岩稜の中ほどに、西山(標高430m)よりも高い岩の無名ピーク(標高457m)がある。
    • 岩稜難路を無事過ぎるとなだらかな幅広い尾根の道になる。ただ、この先登山道と踏分が不鮮明で、西山手前で目印を見誤ってコースを間違え、別の登山口へ少し下り始めてしまった。直ぐこの間違いに気付き引き返した。
    • 西山からの下り、上りで難儀した岩尾根の戻りは、上りの体験のためか、比較的楽だった。その先、「最初のピーク」からの下りは急坂なので気を引き締めた。
    • 尾根登山道出合から西山登山口、さらに駐車地まで、当然のことだが、登りより遙かに楽だった。

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ball_magenta2.gif アルバム
    :クリックすれば大きな画像、各ブラウザの「戻る」ボタンでこのページへ。)

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    福岡市西区金武の外れ
    県道562号南端のどん詰まりに駐車
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    駐車地脇
    旧三瀬街道の案内板
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    舗装道路を先へ進む
    直ぐ車止めゲート
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    しばらく登ると道幅が狭くなる
     
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    舗装道路はここまで
    右の未舗装道路へ進む
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    いかにも旧街道という感じ
    昔、人馬交通路(馬車?)
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    敷石露出
    前方に倒木
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    左手に「西山登山口」の道標
    ここから山に入る
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    この先、旧街道は飯場峠へ通じる
    その道は荒れているようだ
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    やや傾斜の強い登山道
     
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    倒木の下をくぐり抜ける
     
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    登山道は左を巻く
    正面の細い抉れは獣道だろう
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    尾根登山道とT字型出合、左折
    右は飯場峠へ下る登山道
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    尾根筋を東へ向かう
     
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    急登
     
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    なだらかなピークを通過
    大木と倒木の絡み合い
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    道の左側は植林、右は自然林
    登山道はおおむねこの状態である
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    急坂ひと登り
     
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    岩尾根が続く
     
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    リボンも見える
    しかし、細かなルートは分からない
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    道を探りながら進む
    なかなか大変だ
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    リボンがあるとほっとする
     
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    やっと普通の登山道に出た
     
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    非常に幅広い尾根を進む
    この辺り、道が不鮮明
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    別の登山口へ下り始め、
    間違いに気付き引き返した
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    西山近くの正規登山道
    植林帯の中
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    もうすぐ山頂だ
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    西山到着
     
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    山頂にて
     
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    三角点
    この脇で昼食・休憩
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    山頂からの眺望はない
    北の木々の枝の間からほんの少しだけ
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    下りは来た道を戻る
    自然林の道歩きは心地よい
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    岩尾根手前の石ころ
    拳大を一つ持ち帰った
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    岩尾根を戻る
     
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    岩場を無事通り過ぎ
    ひと安心
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    急坂の下り
    滑らないよう、慎重に
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    尾根登山道出合、右折
     
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    この道は幅広く抉れている
    元々は林業用だったのかも知れない
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    登山道脇の花
    名前は分からない
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    「西山登山口」、右へ
     
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    谷川に沿って旧街道を下る
     
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    西日を背に受け、のんびり歩く
     
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    途中のコンクリート製小橋
    両岸は自然石の石組みで歴史を感じる
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    駐車地到着
     
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    金武の県道562号から北の眺め
    この日はいい天気だった

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