kenta Stained Glasskenta ステンドグラス2001年(度)作成メモ目次
No.0102「花をもつ少女」(2001.05.)
一年前、この絵を見て、何気なく「おもしろいね、ステンドグラスで作ってみようかな。」とつい口を滑らせたところ、少女がうれしそうに「うんうん、作って。」と言ったのが始まりでした。そのときはまだステンドグラスの練習を始めたばかりで、パネル作成のことなど全く理解していませんでした。その後、このような原画をもとにステンドグラスのパネルとして作品化することがいかに困難か、ということが分かりはじめ、とうとうほぼ一年経ってしまいました。この間、少女から時折「まだ?」と問われ、「これは難しくて、大変なので、もう少し待ってください。」とお願いし続けておりました。しかしいつまでもこれではいけないので、今年度はじめ決心して作成に取りかかり、やっと完成した次第です。 反省:よく分かりもせずに作成の約束をしないこと。 これまで私は、「手作り」を旨としてルーターなどの機械を用いずに作品作りを楽しんできました。しかし、このパネル作成では、ご覧いただければお分かりの通り(下の画像、いちばん左)、少女の顔の「両の瞳の輝き」と「口」は機械に頼らざるを得ませんでした。つまり、この3箇所は手持ちのありふれた電気ドリルにダイヤモンドの刃をつけてまず穴をあけ、さらに精密ダイヤモンドヤスリでしかるべき形に整えました。それ以外はすべて手作業でやりましたが、大きくえぐれたカーブを描く部分や、特に二つの黒い靴(下の画像、左から二番目)などのピースを作るのは骨が折れました。 また、初めてレッドケイム(鉛線)を使いました。もっとも本格的使用ではなく、四辺の補強と飾りのためです。なお、四辺はさらに、ルオー工房美術研究所(所長:北 幹雄氏、東京都東久留米市、URL:http://www5a.biglobe.ne.jp/~kitamiki/)で紹介されている「アルミ枠」を用いて補強しました。 一応完成した段階で問題が一つ残っていました。その時は「瞳」と「まつげ」を、仮に、厚さ 0.5mm のアクリル板を両面テープでガラスに張り付けて表していたのです(下の画像、いちばん左)。これはどうもしっくりしません。しかし、少女には「これで完成しました。」と宣言し、約束を果たしたことにしました。その後東京に行ったついでに立ち寄った新宿のある画材店で、よりよいと思われるガラス用のエナメル素材を見つけました。今はその素材で「瞳」と「まつげ」を表裏の両面描いて処理しています。その画像とこの素材については別に述べたいと思います。 (注:各画像をクリックすれば大きな画像。各ブラウザの「戻る」ボタンでこのページへ。)
No.0103「ニューヨークシリーズ(1)」(2001.05.)
上記の「花をもつ少女」の作成で、曲線のカットや穴あけなどで苦労(もちろん初心者の私にとって)したせいか、直線的簡潔なカットや作業をしたくなり、一気にこれを作りました。 毎度のことながら、デザインを参考にさせていただいている田代氏には感謝申し上げます。 ところで、この作品のハンダ部分は最初ブラックパティーナで仕上げたのですが、どことなくアンバランスな感じがしました。そこで、洗剤で軽く洗い流した後、真鍮ブラシで磨いてみました。その結果、「モダーンな渋み」(と自分では思っているのですが)が醸し出され、この都会的センスのデザインとよくマッチしているようです。 (注:各画像をクリックすれば大きな画像。各ブラウザの「戻る」ボタンでこのページへ。)
No.0104「ミニアンドン・ロマン」(2001.06.)
今回、ふと「色つき電球」をこのアンドンに灯してみたらどうなるであろうか、と思い、4種類の色つきシャンデリア球(いずれも40W)で試してみました(下の画像、右の4つ)。それらは灯した瞬間、またはその直後の数秒間、確かに「きれい」(「美しい」ではなく)だと錯覚します。しかし時間が経つ内に気持ちが悪くなってきます。結論は、これら色つき電球はステンドグラスで使用してはならない、ということでした。これはもちろん当然のこととして、この分野での常識だと思われますが、私は初心者なので一度実験してみたわけです。「アホなことした」と思っております。 (注:各画像をクリックすれば大きな画像。各ブラウザの「戻る」ボタンでこのページへ。)
No.0107「ピラミダルU」(2001.11.)
正三角形一面180ピース、全体で4面ですから、合計720ピースになります。4種類のガラスを使用していますが、全体の安定感やバランスを旨として、各ガラスのピース数と配置を考えました。それらは一見ランダムのようですが、かなり計算しています。 こんな多数のピースの作品は初めて作りました。そのピースの多さと形の単調さのために、作成途中でうんざりするのではないかと思っていましたが、上で述べた「計算」の緊張感があって、一面一面ができあがるごとに充実感をおぼえました。 さて、このオブジェランプを底面とほぼ同じベースの上に 2〜3cm 浮いたようにする工夫を色々考え、一応このようなアイディアに落ち着きました。その工夫をことばで説明するのはかなり困難です。また、本来そのベースは「赤御影石」で作成する予定でしたが、それをすぐに手に入れることができなかったので、とりあえず「木製ベース」で完成しました。浮いたように見せる工夫と「石材ベース」についてはまたそれを作ったときに触れます。 (注:各画像をクリックすれば大きな画像。各ブラウザの「戻る」ボタンでこのページへ。)
No.0108「クリスマスツリー(三種)」(2001.12.)
「白」には色々な色彩のひしゃげたガラス玉のようなものを両面テープでくっつけています。少女のお遊びです。 (注:各画像をクリックすれば大きな画像。各ブラウザの「戻る」ボタンでこのページへ。)
No.0109「赤い屋根」(2001.12.)
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